秋から春まで長い間花を咲かせ、花の少ない冬の時期に彩りを与えてくれるパンジー・ビオラ。
とても丈夫で育てやすく、秋から春まで8カ月ものあいだ、途切れることなく次々と花を咲かせるので、長い間可愛らしいお花を楽しむことができます。
パンジーとビオラは同じスミレ科の植物で、一般的に、花の直径が5cm以上のものがパンジー・5cm未満のものがビオラと呼ばれています。ただし品種改良が進み、小さなパンジーや大きなビオラもあるため、パンジーとビオラの区別はあいまいになっています。
パンジー・ビオラは、花色や咲き方がとても豊富です。育て方は同じなので、パンジー・ビオラを区別せず、気に入った花色・花姿のものを選ぶと良いです。
和名は三色菫(サンシキスミレ)。紫・黄・白の三色を持つスミレのことで、古くには人面草(ジンメンソウ)、遊蝶花(ユウチョウカ)などと呼ばれたことも。
引用元:岡山の草花 歳時記
属名であるヴィオラの語源は、原種の基準色が紫色(violet)であることに由来しています。
パンジーの語源は、花弁の色模様(ブロッチ)がもの想いに耽る人の顔に見えるので、フランス語の思索(Pensee)が由来となっています。
パンジー・ビオラの基本情報
引用元:みんなの趣味の園芸
園芸分類 草花 形態 一年草 原産地 ヨーロッパ 草丈/樹高 10~30cm 開花期 10月下旬~5月中旬 花色 白、赤、ピンク、オレンジ、黄、青、紫、茶、黒、複色 栽培難易度(1~5) 1 耐寒性 強い 耐暑性 弱い
パンジー・ビオラの栽培環境
日当たり・置き場所
パンジー・ビオラは、日当たりと風通しの良い環境を好みます。
日当たりが足りないと、徒長したり花つきが悪くなったりしてしまうので、半日以上日が当たる場所で育てるようにします。
寒さに強いので、屋外で育てることができます。霜や雪に耐え花を咲かせる姿は、とても健気で可愛らしいですが、鉢植えの場合は、霜や雪に当たらない場所へ鉢を移動させてあげると良いです。
用土
パンジー・ビオラは、通気性・排水性がよく、ほどよく保水性のある土を好みます。
土を作る場合は、赤玉土6:腐葉土4の割合で配合し、水はけをよくするために川砂やパーライトを混ぜると良いです。
また、長い間花を咲かせるので、必ず元肥として緩効性化成肥料も混ぜておきます。
パンジー・ビオラは、一般の草花用培養土で問題なく育てることができます。
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通気性・排水性に優れていて、なおかつ保水力も良好です。効き目が穏やかで肥効効果の長い肥料が配合されているので、元肥を混ぜる手間なく、すぐに使用することができます。天然有機のフカフカな土がとても扱いやすいです。
水やり
鉢植えの場合は、土が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水やりをします。水を与え過ぎると根腐れの原因になるので、乾湿のメリハリをつけるようにします。
また、水やりは午前中に行うようにします。午後に水やりをすると土が乾かず、残った水分が夜に凍り、根を傷めてしまう原因となるので注意が必要です。
庭植えの場合は、自然に降る雨だけで大丈夫です。ただし、土が乾ききったときは、たっぷりと水やりをします。
肥料
パンジー・ビオラは、長い間次々と花を咲かせるため、肥料が必要となります。
元肥入りの市販の培養土を使わない場合は、植えつけの際に、元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。
その後は月に1回ほど緩効性化成肥料を与えるか、1~2週間に1回ほど水やり代わりに液体肥料を与えます。
ただし肥料を与え過ぎると、肥料やけを起こして根が傷んでしまうため、規定量を守って与えることが大切です。
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ハイポネックス原液は肥料、リキダスは活力剤です。ともに、さまざまな植物に与えることができ、初めてでも安心して使用することができます。希釈して使用するのでお財布にも優しいです。
パンジー・ビオラの育て方
植えつけ
パンジー・ビオラは、タネから育てることができますが、市販の苗を購入する方が育てやすいです。
苗を選ぶ場合は、株元がぐらついていない・節間が詰まっていて徒長してない・茎が太い・黄変した葉がない・花数ではなくツボミの数が多いものを選ぶと良いです。
苗の植えつけの適期は10月頃です。しっかり根付かせてから冬を迎えることによって、寒さに負けない元気な株に育つことができます。
根が回っている場合は、少しほぐしてから植えつけます。枯れた下葉がある場合は取り除きます。深植えにも浅植えにもならないように、根鉢の高さと植えつける土が同じ高さになるように植えつけます。
鉢植えの場合は5号鉢に1株、プランターの場合は65cmプランターに4株、庭植えの場合は20cm間隔を目安にすると良いです。
花がら摘み
花がらは、花茎のつけ根から手で摘み取ります。
株の体力が消耗しないよう、こまめに花がらを摘み取るようにします。タネができる前に花がらを摘み取ることによって、新しい花に栄養を送ることができます。
また、風通しが悪くなると、株元の葉が枯れたり病気になってしまうことがあるので、花がらはこまめに摘み取ることが大切です。
剪定
大きな剪定は必要ありませんが、葉が混み合っていたら、風通しを良くするために軽めに剪定をします。
また、徒長したり姿が乱れてきたら、枝先が枯れてしまうことがあるので、剪定をしてあげると良いです。
節の少し上で切り取るようにします。
ふやし方
パンジービオラは、タネまきで増やすことができます。
タネを採る場合は、花がら摘みをせずにそのままにしておきます。
サヤが茶色くなると自然に弾けて、タネが飛び散ってしまうので、サヤが弾ける前に摘み取ることがポイントです。
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