アイボリーの花で中心に向かうほどピンクに染まる花色が美しいピエール・ドゥ・ロンサール。
ピエール・ドゥ・ロンサールは、3年に1度開かれる「世界バラ会議」で、2006年に殿堂入りを果たした「世界中で愛されている名花」です。
ピエール・ドゥ・ロンサールは、一季咲きのつるバラですが、枝を伸ばせば返り咲きをしてくれます。
病害虫に強く生育旺盛で、初めてでも育てやすいピエール・ドゥ・ロンサールをご紹介します。
ピエール・ドゥ・ロンサールの基本情報
花色 | ピンク+アイボリー | 花形 | カップ咲き |
花弁数 | 50枚 | 花径 | 9~12cm |
開花期 | 弱い返り咲き | 香り | 微香 ティ |
樹高 | 2~4m | 樹形 | つる性 |
耐寒性 | 普通 | 耐暑性 | 強い |
ピエール・ドゥ・ロンサールの栽培環境
日当たり・置き場所
一年を通して日当たりと風通しの良い場所を好みます。
ピエール・ドゥ・ロンサールは樹勢が強いので、ある程度スペースがある場所で、のびのび育ててあげると良いです。枝は長く伸び、花はややうつむき加減に咲くため、壁面やアーチなどに誘引すると、見上げながら花を楽しむことができます。
バラはお日様の光が大好きですが、近年の夏の暑さはバラにとって負担になります。株元をマルチングして、地温の上昇から根を守ってあげると良いです。
またマルチングには、地温の上昇を防ぐだけではなく、
- 土の中の水分蒸発を防ぐ
- 雨水の泥はねによる病気を予防する
- 雑草を防ぐ
- コガネムシの産卵を防ぐ
などの効果が期待できます。
㈱花ごころさんのバラ専用マルチングチップを使用しています。
◆大切なバラを健康に美しく「バラ専用マルチングチップ」
1~2年使用したチップは、土壌改良材として土に混ぜることができる優れものです。
用土
住友化学園芸㈱さんの培養土を使用しています。
保水性と保肥力に優れながら、適度に排水性と通気性があり、バラの根張りを良くしてくれる培養土です。熟成馬ふん堆肥や腐葉土などの有機質が豊富に配合されているので肥料効果があり、手間なくすぐに使用することができます。土に活力を与える腐植酸・鉄欠乏対策のための鉄ポリフェノール・善玉菌など、バラの生育を助ける成分も配合されているため、初めてのバラ栽培でも安心して使用することができます。
水やり
庭植えの場合、しっかり根づいたあとは、自然に降る雨だけでほぼ大丈夫です。ただし、晴天が続いて土が乾燥したときは、たっぷりと水やりをします。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら、たっぷりと水やりをします。真夏は特に、水切れに注意が必要です。真夏は、日中に水やりをすると水が熱湯になって根を傷めてしまうので、1日2回、早朝と夕方に水やりをします。
肥料
庭植えの場合、植えつけの時に元肥を、1~2月に寒肥を与えます。
肥料を与える場合には、根に直接肥料が当たらないように注意が必要です。
元肥は、牛ふん堆肥や油粕などの有機肥料を植え穴の底に入れ、肥料の上に土を少し被せてから植えつけをします。
寒肥は、株元から40~50cm離れたところに深さ20~30cmの穴を掘り、牛ふん堆肥や油粕などの有機肥料を埋め込みます。
寒肥とは?
引用元:サカタのタネ
かんごえ、かんぴと読みます。冬の間、主に休眠している庭木や果樹に与える肥料です。春に元気な新芽を出させるための栄養補給のような役割をします。根を傷めないように冬の間に肥料を熟成させて、成長が始まる春に根に吸収させたいので、ゆっくりと効いて植え替えをしない樹木の土壌改良にもなる有機質肥料がおすすめです。
庭植えの場合も鉢植えの場合も、追肥として、3月~10月に緩効性化成肥料を与えます。バラ専用の肥料を使うと安心です。
また、生育に応じて、1週間~10日に1回を目安に液体肥料を与えると良いです。
ハイポネックス(HYPONeX)さんのハイポネックス原液とリキダスを使用しています。
ハイポネックス原液は肥料、リキダスは活力剤です。ともに、さまざまな植物に与えることができ、初めてでも安心して使用することができます。希釈して使用するのでお財布にも優しいです。
ピエール・ドゥ・ロンサールの育て方
植えつけ
ピエール・ドゥ・ロンサールの植えつけの適期は、10月から翌年の春です。12月から2月ごろの休眠期以外に植えつけをする場合は、根鉢を崩さないようにそっと植えつけをします。
ピエール・ドゥ・ロンサールは樹勢が強く、大輪系のつるバラなので、庭植えにした方がのびのびと育てることができます。
庭に植えつける場合、深さ40~50cm・直径30~40cmほどの植え穴を掘ります。元肥として、牛ふん堆肥や油粕などの有機肥料を植え穴に入れ、根に直接肥料がつかないように掘りあげた土を少し戻します。
鉢に植えつける場合は、初めから10号以上の大きめの鉢を使用すると良いです。
庭植えの場合も鉢植えの場合も、接木部分が地上に出るように植えつけをします。
花がら摘み
咲き終わった花は必ず摘み取るようにします。咲き終わった花をそのままにしておくと、病害虫の原因になってしまいます。
シュートの処理
ほかの枝に比べて勢いよく伸びる太く新しい枝はシュートと呼ばれています。
シュートは、艶のある緑色をしていて、翌年以降に良い花を咲かせてくれる、将来が有望な大切な枝です。
シュートが出てきたら、折れないように支柱などで固定をし、まっすぐ大きく伸ばしてあげるようにします。
剪定
夏剪定
ピエール・ドゥ・ロンサールはつる性のバラなので、その年に伸びた枝に翌年花をつけます。
枝が伸びた分だけ、翌年の花数が増えるので、夏剪定は、咲き終わった花がらを摘む程度にし、枝はできるだけ大きく伸ばしてあげます。
花を持った枝が増えると、返り咲きをし、長い期間花を楽しませてくれるようになります。長い期間花を楽しむためにも、花後の強剪定は避けた方が良いです。
冬剪定
冬の本剪定は、1月上旬~2月下旬に行うようにします。
シュートは翌年に良い花を咲かせてくれる大切な枝なので、シュートを剪定しないように注意します。
まずは株元を見て、株元からシュートが出ていたら、株元から伸びている枯れた枝や古い枝などの不要な枝を切り落とします。
残す枝が決まったら、株元から枝先へとたどっていきます。枝の途中からシュートが出ていたら、シュートの先に伸びている古い枝を切り落とします。
鉢替え
鉢植えの場合、12月~2月に鉢替え(鉢の土替え)をします。適期は2月です。
根鉢の2割くらいを落として、部分的もしくはすべての土を新しくして植え替えます。
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